旧暦の作り方

現在公式には太陽暦を用いていますので、「今日は旧暦でいえば何月何日」というのは政府では発表しません。非公式になったからこそ「旧暦」と呼ぶわけです。しかし、新聞のこよみ欄(「明日のこよみ」など)では「旧○月×日」と出ていますし、高島暦などの本でも対応表が出ています。いったいどのようにして出しているのでしょうか?

旧暦

旧暦ってご存知ですか?現在のカレンダー(太陽暦)は明治6年1873年)1月1日から用いられていますので、今度の元日で138年目を迎えることになります。ある意味、137年間しか使われていないわけで、それ以前は太陽太陰暦という別のルールのカレンダーを用いていました。改正後の暦(新暦)に対して廃止された暦という意味で「旧暦」。何回か旧暦について書いてみます。

日本で唯一の完全な環状線は?

千葉県浦安市東京ディズニーリゾート (TDR) 内を運行する「ディズニーリゾートライン」 はモノレール路線です。

起点と終点はいずれも「リゾートゲートウェイ・ステーション駅」で同一駅です。

つまり、昔の大阪環状線と同じく「上り」「下り」の概念はありません。

大阪環状線が「環状線」でなくなっている現在、日本で唯一の完全な「環状線」です。

しかし、環状線ではありますが、路線は単線で運行されているのは反時計回りに進む列車のみですので、「上り」「下り」という呼び方は旅客案内上も必要なさそうですね。

大阪環状線

大阪環状線は、その昔は東海道本線の枝線として、接続駅である大阪駅を起点とし、完全に1周して大阪駅を終点としていました。

つまり、起点と終点が全く同じ駅ですので、まさに「『上り』『下り』で表現できない」という状態です。

しかし、列車番号は一般に「上り」を偶数、「下り」を奇数にするのですが、内回りを奇数にしていました。

これは、接続駅である大阪駅において、親である東海道本線列車番号の偶数奇数に合わせるためです。

この結果、今宮〜天王寺間は同じ「本線」である関西本線を走る列車の番号の偶数奇数と違うことになりましたが、親は関西本線ではなくあくまで東海道本線なので気にしない、ということになりました。

その後、国鉄分割民営化のとき、当時の運輸省に提出された事業基本計画や国土交通省監修の「鉄道要覧」のほかJR西日本の資料では、「起点天王寺→大阪→終点新今宮」(今宮〜新今宮間は関西本線と重複)となったことから、現在では完全な環状線ではなくなりました。

その結果、内回りでいえば、天王寺→大阪→今宮が「下り」、今宮→新今宮大阪環状線の「下り」と関西本線の「上り」が混在、新今宮天王寺関西本線「上り」となりました。

山手線

では「山手線」はどうでしょうか?

「♪まあるい緑の山手線♪」の「山手線」も列車の愛称にすぎません。

一般的には「内回り」「外回り」と呼称し、「『上り』『下り』で表現できない」と言われますが、そんなことはありません。

線路としては東海道本線(起点東京→終点神戸)、山手線(起点品川→終点田端)、東北本線(起点東京→終点盛岡)を使用していますので、外回りの場合は、東京→田端が「下り」、田端→東京が「上り」です。田端と東京で「上り」と「下り」が切り替わるのです。

つまり、京浜東北線も横須賀・総武線も山手線も、「『上り』『下り』で表現できない」のではなく、「途中で切り替わるから、『上り』『下り』だとややこしくなるので、旅客案内上は使用しない」というだけです。