大都市近郊区間は運賃計算の特例?

大都市近郊区間は様々な特例が付いていますが、そのメインは、「運賃計算に用いた経路以外の他の経路を選択して乗車できる」という「効力」です。

ということは、普通は最安経路で運賃計算しますよね。わざわざ高く買って安い方の経路を選ぶことは意味がありません。

ですので、JRの通常の取扱いとしては、最安運賃を半強制する運用をしています。JRのサイトや大型時刻表のピンクのページなど旅客案内向けには「運賃計算の特例」として「実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます」と表現しています。一般向けにはこれで十分なのです。

このため大都市近郊区間とは最安運賃を強制する「運賃計算の特例」だと思っている方がほとんどですが、実際はそうではないのです。

最安運賃は強制ではなく半強制です。つまり、旅客から特に申出のない限り、最安運賃の乗車券を発売するということです。よって、旅客が特にお願いすれば、実際乗車経路どおりの乗車券や、全然関係のない経路の高い運賃の乗車券も発売可能です。ただ、普通はこんなお願いをする人はいないだけの話です。

でも、ケースによっては、わざと高い経路の乗車券を買う方が合理的なこともあります。