特定都区市内での途中下車と復乗

特定都区市内は、エリアを一つの大きな駅と仮想するわけですが、ではその仮想駅内は自由に乗り降りできるのでしょうか?

答えは×。旅客営業規則156条で、同じエリア内での途中下車を禁止しているのです。

例えば、東京都区内→大阪市内という乗車券を考えます。

スタートの東京都区内エリア内で下車した場合、仮想駅からはまだ出ていませんので、その乗車券はそのまま使えます。ただし、仮想駅内の移動に対する運賃は別途通常どおり払うことになります。

逆に、ゴールである大阪市内エリア内で下車した場合、その時点でゴールとみなされ乗車券は回収されてしまいます。

「構内移動」(?)とはいえ仮想駅にすぎませんので、仮想駅内での途中下車はできないのです。

また、仮想駅内はどのようなルートを通ってもよいわけではありません。原則はあくまで出発駅から到着駅までの経路であり、一度通った経路(権利を行使した経路)を再び通ること(「復乗」といいます)はできません。

ただし、新幹線や特急列車への乗継のためであれば、復乗は認められています。逆に言えば、列車の乗継の目的以外の復乗は×なのです。このため、東京都区内発着あるいは東京山手線内発着の乗車券だからといって、山手線をぐるぐると何周も回るということはできません。

では、例えば、東京都区内着の乗車券を用いて、新大阪から東京まで新幹線に乗車後、東京から山手線などを利用して品川で下車できるのでしょうか?

特急券を東京まで買っている以上、結果的に「列車の乗継」になるため直ちに不正とはいえないでしょうが、品川は新幹線停車駅ですので、わざわざ東京まで行く必要はありません。この辺をどう扱うのか、難しいところです。JRとしては、「列車の乗継」があれば認めており、乗り継ぐ必要性までは関知しない方針のようです。